お気軽にご相談ください!
クリニック開業お役立ちコラム
クリニック内装の費用相場は?レイアウトの考え方と失敗しないポイントを解説
クリニックの内装は、患者様が受ける第一印象だけでなく、診療のしやすさや安全性、スタッフの働きやすさにも大きく関わります。受付から待合室、診察、検査・処置、会計までの動線が複雑だったり、収納や作業スペースが不足していたりすると、開業後の診療効率に影響する可能性があります。
また、内装工事の費用は、物件の広さだけで決まるものではありません。スケルトンや居抜きといった物件の状態、診療内容、導入する医療機器、電気・給排水・空調などの設備条件によっても大きく変わります。
本記事では、クリニックの内装工事にかかる費用相場をはじめ、患者様・スタッフの動線を踏まえたレイアウトの考え方、工事の進め方、失敗を防ぐためのポイントについて分かりやすく解説します。
クリニックの内装工事にかかる費用相場
クリニックの内装工事費は、物件の状態や診療内容、導入設備などによって異なります。坪単価はあくまで目安として、工事範囲や見積もりに含まれる項目まで確認しましょう。
坪単価と総額の目安
クリニックの内装工事費は、坪40万~80万円程度が一つの目安です。一般的な25坪程度のテナント開業のクリニックでは、工事費が1,000万~2,000万円程度となるケースもあります。
ただし、実際の費用は、物件の状態や診療内容、設備の仕様、使用する建材、工事範囲などによって異なります。見積もりを比較する際は、金額だけでなく、どこまでの費用が含まれているかも確認しましょう。設計費などが別途必要になる場合があります。
物件の状態によって費用が変わる
内装工事費は、スケルトン、事務所仕様、居抜きなど、入居する物件の状態によっても変わります。
スケルトン物件は工事範囲が広く費用が増えやすい一方、診療内容や動線に合わせて設計しやすい特徴があります。事務所仕様でも、給排水や電気、空調などの改修が必要になる場合があります。
居抜き物件は既存の内装や設備を活用できれば費用を抑えられますが、老朽化やレイアウト変更などによって撤去・修繕・更新費用が発生することがあります。
診療内容や導入設備によって費用が変わる
同じ広さのクリニックでも、診療内容や導入する医療機器によって必要な工事は異なります。たとえば、X線装置を設置する場合は、放射線防護に対応した工事が必要です。また、診療内容によっては給排水などの設備工事が必要になる場合もあります。
医療機器を導入する際は、設計の初期段階から機器の寸法や設置場所、電源、配管、操作スペース、搬入経路などを確認することが大切です。
内装の予算を立てる際は、工事費だけでなく、設計費や医療機器、什器、システム、看板なども含め、開業時に必要となる費用全体を確認しておきましょう。
クリニックの内装・レイアウトで重視したいポイント
クリニックの内装は、見た目の印象だけでなく、診療の効率性や安全性、感染対策、患者様のプライバシー、スタッフの働きやすさなども考慮して設計する必要があります。
まずは予定する診療内容や患者様の層を整理し、必要な部屋や設備、患者様・スタッフの動線を具体的に検討しましょう。また、クリニックに適用される構造設備の基準などは地域によって異なる場合があるため、設計者や管轄の行政機関に事前に確認しましょう。

患者様の動線とスタッフ動線を整理する
患者様の動線は、受付から待合室、診察・検査・処置、会計まで迷わず移動できるようにするとよいでしょう。一方、スタッフは受付や診察室、処置室などを行き来するため、移動距離を抑えられる配置にすると業務を効率化しやすくなります。
また、高齢者や車椅子・ベビーカーの利用者、付き添い者なども想定し、家具や医療機器を配置した状態で通路や扉に十分な幅があるか確認しましょう。
感染対策とプライバシーに配慮する
厚生労働省は、医療機関に対して手洗い・手指消毒のための設備や備品を整えるとともに、空調設備などを適切に整備し、院内の清掃を含めた環境管理を行うよう求めています。
参考: 厚生労働省「医療機関における院内感染対策について」
内装を計画する際は、手洗い設備や換気、清掃のしやすさなどを確認しておきましょう。また、使用後の医療機器を扱う場所や搬送方法、感染性廃棄物の保管・処理についても、汚染が広がらないよう配慮することが大切です。
患者様のプライバシーにも配慮が必要です。診察室や相談室では会話が周囲へ伝わりにくい配置や遮音性を検討します。受付でも、モニターや問診票、カルテなどに記載された個人情報がほかの患者様から見えないようにすることが重要です。
診療内容や患者様の層に応じて設計する
クリニックのレイアウトは、診療科名だけで決まるものではありません。実際に行う診察、検査、処置、リハビリなどの流れを整理し、それぞれに適した部屋や設備を配置することが求められます。ベッドやストレッチャーを使用する場合は、スムーズに移動できる通路幅や扉幅も確保しましょう。
また、子どもや高齢者、車椅子利用者、付き添い者など、想定する患者様の層によって使いやすいレイアウトは異なります。プライバシーへの配慮が求められる診療では、待合席の配置や診察室・相談室の遮音性なども検討しましょう。
収納・作業スペースとデザインを両立する
クリニックでは、診療材料や医薬品、書類、清掃用品など、多くの物品を保管する必要があります。必要な収納量を事前に見積もり、使用する場所や頻度に応じて収納を配置すると、スタッフの移動を減らしやすくなります。
受付や診察室、処置室などでは、収納だけでなく実際に業務を行うための作業スペースも確保しましょう。デザインを優先するあまり、収納や通路、作業スペースを削ると、開業後の使いにくさにつながる可能性があります。
内装の色や照明、素材は、清潔感や安心感を基本に、クリニックのコンセプトや患者様の層に合わせて選びます。見た目だけでなく、清掃のしやすさや耐久性、安全性、遮音性なども考慮し、デザインと実用性のバランスが取れた内装を目指しましょう。
クリニックの内装工事の進め方と失敗を防ぐポイント
クリニックの内装工事では、まず診療方針や必要な機能を整理し、物件調査、設計、見積もり、施工へと進めます。特に注意したいのが、物件を契約してから設備上の問題が判明するケースです。希望するレイアウトや医療機器の設置が可能か、契約前に確認しておきましょう。
また、診療所には医療法などに基づく構造設備の基準があります。自治体によって手続きや確認事項が異なるため、設計図面を準備した段階で管轄の保健所へ相談しておくことが大切です。
診療方針と必要な部屋・設備を整理する
内装を設計する前に、どのような診療を行うのかを具体的に整理します。診療内容や想定する患者様の数・患者様の層、スタッフ数、導入する医療機器などを踏まえて、診察室や処置室、検査室、受付、待合室、収納など、必要なスペースを検討しましょう。
限られた面積と予算ですべての希望を実現するのが難しい場合もあります。診療に必要な機能の優先順位を決めたうえで、クリニックのコンセプトや希望する雰囲気も設計者と共有しておきましょう。
物件契約前に設備条件を確認する
希望する内装を実現できるかどうかは、物件の条件にも左右されます。面積や天井高、柱の位置、出入口だけでなく、避難経路や医療機器の搬入経路なども確認しましょう。
特に重要なのが、電気容量や給排水、空調、換気などの設備です。予定する診療内容や医療機器に対応できなければ、追加工事が必要になったり、希望する機器を設置できなかったりする可能性があります。大型・重量機器を導入する場合は、床荷重やエレベーターの寸法・積載量なども確認が必要です。
また、賃貸物件では、貸主の工事承認や指定業者の有無、工事区分、工事可能な時間帯なども確認します。看板の設置条件や退去時の原状回復範囲についても、契約前に把握しておくとよいでしょう。
医療施設の実績がある業者を選ぶ
内装業者を選ぶ際は、価格だけではなく、クリニックや医療施設の設計・施工実績を確認しましょう。一般的な店舗やオフィスとは異なり、クリニックでは医療機器の設置や患者様・スタッフの動線、関連する法令などを考慮した設計が求められます。
医療機器や電子カルテ、LANなどを担当する事業者との調整経験があるかも確認したいポイントです。あわせて、保健所や消防への対応経験、工事の工程管理、完成後の保証や対応体制なども確認します。
見積もりは複数社に依頼し、できるだけ同じ図面や設備仕様、工事範囲で比較しましょう。金額だけでなく、提案内容や見積もりに含まれない項目、工期、保証内容などを総合的に判断する必要があります。
見積もりと図面を細かく確認する
工事を始める前には、見積書と図面の内容を細かく確認します。図面には家具や医療機器を配置し、実際に使用する状態を想定して、患者様・スタッフの動線や通路幅、収納スペース、扉の開閉などに問題がないか確認しましょう。
コンセントや給排水、空調、LAN、照明などの位置と数量も重要です。開業後に不足が判明すると追加工事が必要になる場合があるため、医療機器や院内システムの配置とあわせて確認しておきます。
見積書では、工事範囲や数量、単価、使用する建材・設備の仕様を確認します。「一式」と記載された金額の大きな項目がある場合は、何が含まれているのか内訳を確認しましょう。追加工事が発生する条件や費用負担、工期への影響についても、あらかじめ明確にしておくことが大切です。
さらに、将来的な医療機器の追加やレイアウト変更も想定し、電気容量や配線、配管などに必要な余裕を持たせておくと、開業後の改修にも対応しやすくなります。
クリニックの内装に関するよくある質問
クリニックの内装費用はいくらかかりますか?
民間事業者の解説では、坪40万~80万円程度が一つの目安とされています。25坪程度のクリニックで1,000万~2,000万円程度となるケースもありますが、物件の状態や診療内容、設備仕様などによって費用は異なります。
見積もりでは、設計費や什器、医療機器、システム、看板などが工事費に含まれているかも確認しましょう。
クリニックの内装工事にはどのくらいの期間が必要ですか?
施工開始から引き渡しまでは、1.5~3か月程度が一つの目安です。ただし、業者選定や設計、打ち合わせなどを含めると、テナント開業の場合は5~6か月程度かかる場合もあります。
工事規模や物件の状態、医療機器・建材の納期などによって変わるため、開業予定日から逆算して余裕のあるスケジュールを立てましょう。
クリニックの内装業者はどのように選べばよいですか?
医療施設の設計・施工実績や、医療機器事業者との調整経験を確認しましょう。複数社の見積もりや提案内容、工期、保証などを比較することも大切です。
居抜き物件なら内装費用を抑えられますか?
既存の内装や設備を活用できれば、工事費や工期を抑えられる可能性があります。特に、前のクリニックと診療内容やレイアウトが近い場合は、既存設備を活用しやすくなります。
一方、設備の老朽化や仕様の違いによって、撤去・修繕・更新費用が発生する場合もあります。契約前に現地調査を行い、新たに必要となる工事まで含めた総額で比較しましょう。
診療方針と動線を踏まえてクリニックの内装を計画しよう

クリニックの内装は、診療内容や患者様の層を踏まえ、患者様・スタッフの動線、安全性、感染対策、プライバシーなどを考慮して計画することが大切です。費用は物件の状態や設備条件、導入する医療機器などによって変わるため、物件契約前に必要な工事が可能か確認しておきましょう。
内装業者は医療施設の実績を確認し、複数社の見積もりや提案内容を比較します。将来のスタッフ増員や医療機器の追加も見据えて、長期的に使いやすい内装を検討しましょう。
また、クリニックの開業では内装だけでなく、物件の立地や地域の医療需要、集患、周辺の医療機関・薬局との連携など、さまざまな観点から計画する必要があります。内装については専門業者へ相談しながら、診療方針や物件条件に合った設計を進めましょう。
開業・経営の成功には、立地や集患設計、地域連携など、診療以外の要素も大きく影響します。
コスモス薬品では、ドラッグストア併設・近接立地を中心とした物件のご提案や、広告宣伝の支援、薬局としての医療連携を通じて、クリニック運営をサポートしています。
開業支援や各種専門領域については、取引先の開業支援部門とも連携し、先生方の状況に応じた支援体制を構築しています。開業を検討されている先生方は、お気軽にご相談ください。
医療経営コンサルタント
土光 宜行
医療業界にて経営支援およびマーケティング業務に従事。
開業支援、医療制度、集患戦略などを専門領域とし、現場経験とデータに基づいた実践的な情報発信を行っている。
医療機関が将来を見据えた意思決定を行えるよう、制度動向や経営課題をわかりやすく解説。
弊社が開業支援をさせていただきます
コスモス薬品が運営するドラッグストアは、日常生活に必要なものが何でも揃う生活の拠点となるお店。その地域で便利に安心して暮すために欠かせない、電気や水道のような社会インフラであるお店。
そこに専門性が高いクリニックが加われば、さらに「豊かな生活」を提供することができます。
コスモス薬品は、地域医療の担い手である開業医を全力でサポートしてまいります。

