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コラム・インタビュー

「医療の3K」から読み解く、想定すべき将来のリスク

経営・戦略

これからクリニックを開業されるドクターの皆さまの念頭に置いていただきたいのが「医療の3K」、すなわち「高齢化」「高度化(高額化)」「国際化」です。これらは今後のクリニック経営を考えるうえで、重要なポイントとなるものです。ひとつずつ説明していきましょう。

「高齢化」により増大化する医療費は、今後低減化の方向へ向かう。

「高齢化」について、日本は65歳以上が総人口の29%を占める、世界でも類を見ない少子高齢化大国であるということは、もはや改めて説明するまでもない問題でしょう※1。

※1 人口推計(令和2年10月1日現在)総務省より

一方で2025年以降には、生産年齢人口の減少がさらに加速すると言われています※2。このようないびつな社会構造の変化により、国の税収が減り、財政状況を急激に圧迫していくという環境に既に突入しているのです。実際に、このような人口動態の変化も相まって、医療費は増大化する一方です※3。これだけを見ても、今の社会保障システム、診療報酬の形がこのまま続くとは考え辛いのではないでしょうか。医療費低減化の方向へ向かうことは間違いないでしょう。

※2 第93回社会保障審議会医療部会資料_1-1 かかりつけ医機能について
※3 令和2年度国民医療費の概況_概況全体版

また、医師の高齢化も進んでいます。統計によると、診療所に従事する医師の内、60歳以上の医師が占める割合は既に50%に達しており、平均年齢も60歳まで上昇しています※2。日本医師会総合政策研究機構の調査結果では、診療所開業医の平均引退年齢は73歳という報告もあります※4。

※4 2020年1月6日 日本医師会総合政策研究機構_医業承継実態調査:医療機関経営者向け調査

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開業医には当然、定年制はなく、お元気であれば何歳までも働けることで、診療所に従事する医師の高齢化も進んでいる構図が分かります。一方で医学部入学定員と医師国家試験合格者数から、毎年約9,400名が新たに医師になっていることも分かります。これらの環境から、毎年医師数は増加し続ける状況となっています。

つまり、医療費低減化の流れにあって、診療所数・開業医数は増加傾向にあるということです。これは「医師一人あたりの取り分が確実に減っていく」ということです。

昔はクリニックを開業しさえすれば、一生困ることなく食べていけるという時代もありましたが、すでにそのような時代ではありません。開業医の間での競争が、一段と激化するのは確定的で、そのなかで生き残っていくためには、これまで以上に成功確度の高い物件の見極めが重要となるでしょう。

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「高度化」する先進医療や画期的新薬により、深刻化する医療費の「高額化」

次に「高度化(高額化)」の流れです。ご存知の通り、画期的な新薬の開発や先進医療の発展が目覚ましく、様々な病気に罹っても簡単に亡くなることはないという時代になって参りました。とても喜ばしいことである一方、これらも医療費を押し上げる要因になっている、ということも事実です。

例えば、令和3年度の高額レセプト上位データ※5によると、月額医療費1,000万円以上の高額レセプト件数は1,517件で過去最高件数となりました。その中でも、脊髄性筋萎縮症治療薬のゾルゲンスマの1患者当たり薬価が1億6,708万円で最高金額となりました。

※5 令和3年度 高額レセプト上位の概要 健康保険組合連合会

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その他、白血病等の癌治療薬であるキムリア、ブレヤンジがいずれも薬価3,265万円と、このような画期的新薬の保険収載が、高額療養費を押し上げる要因となっています。その結果、高額療養費に係る支給金額は約2.7兆円となっており、今後も増大していくことが予想されます。

このように、医療の高度化は、一方で国の財政圧迫にも繋がっているということも念頭に置かなければなりません。少子高齢化により財源が減少する中で、際限のない医療費増大化は認められないでしょう。改めて、医療費低減化の方向性は間違いないと認識する必要があります。

「国際化」の進展がもたらした医薬分業

3つめのポイントは「国際化」です。最近の動向としては、「リフィル処方箋」や「電子処方箋等の医DX」「かかりつけ医機能の制度化」等も国際標準に近づく施策として話題ですね。

また、医薬分業も国際化の一例と言えるでしょう。ヨーロッパでは800年近い歴史があるとされる医薬分業制度。本来は「医業と薬業の完全分離」「医師の処方箋発行義務」等を定めた制度です。つまり、現在も日本で見られる「院内処方」というのは国際標準ではないと言えます。

日本では、医薬分業は明治期から制度化されたものの、その進展が見られたのは医薬分業元年と言われた1974年以降でした。その後わずか半世紀程で急速に進展した結果、現在では医薬分業率は75%程になっています。ただし、このような急速な進展が、「門前薬局」に代表されるような、いびつな医薬分業の諸問題を生むことにもつながってしまいました。

現在、日本全国にある薬局の数は6万店舗を超えており、コンビニエンスストアよりも多いのが実情です。これは国際的に見ても異常です。そして、その多くは大病院の門前に何軒もの薬局が軒を連ねるものや、1つのクリニックの門前に1つの薬局を構えるマンツーマン等のいわゆる「門前薬局」と呼ばれる薬局なのです。

現在の処方箋発行枚数約8億枚に対して、必要と想定される薬局数は2~3万店舗とも言われており、本当は約半数の薬局が「必要ない」ということが考えられます。

このように本来必要ではない薬局が成り立っている現状は、ハイコストであると言わざるを得ないでしょう。その為の原資は、当然ながら調剤報酬です。つまり、このような状況も医療費増大化の大きな要因となっているのです。医療費低減化の方向性にあって、ハイコストな薬局は今後、淘汰されることが想定されます。

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日本の調剤薬局市場では、上位10社の市場占有率(シェア)は20%にも満たない状況ですが、アメリカでは寡占化が進み、上位10社で70%以上のシェアを占めています。日本とアメリカでは保険制度も大きく異なり一概には比較できませんが、今後日本でも、このように薬局の寡占化・淘汰が進んでいくことが十分考えられるのではないでしょうか。

しかしながら、クリニックや患者様の立場で考えれば、クリニックの近くに薬局があるに越したことはありません。ただし、今後は上述のような環境変化が予想される為、「これまで近くにあった薬局がなくなるかもしれない」というリスクも想定しておく必要があると言えます。

当然ながら、これまで近くにあった薬局がなくなれば、クリニックに来院される患者様には、ご自宅近くの薬局等にわざわざ移動して頂く必要性が生じます。そしてそのような不便は、患者様が自院から離れてしまう要因にもなり得るのです。

では、院内処方にすれば良いのか、という話ですが、これは選択肢として考え難いのではないでしょうか。なぜなら、薬を保管するスペースの問題があり、何よりも薬を管理するのに多大なコストがかかってしまいます。

そしてそのような問題から、患者様に最適な薬を処方できないということにもつながることが想定されます。これは患者様本位の医療とは言えません。つまり、医薬分業は今後も大前提と考えなければいけないでしょう。

上述のような医療費低減化、薬局淘汰の流れにおいても生き残っていく薬局を見極める必要があると言えるでしょう。今後の方向性として、調剤専門薬局は非常に厳しい状況に陥ることが想定されます。一方で、調剤併設型ドラッグストアは、経営的にも安定しています。

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