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勤務医から開業医へ...トクする「ベストな切り替えタイミング」の見極め方【FPが解説】

経営・戦略
FP dream 代表FP 藤原 洋子

「理想とする医療を行いたい」「収入をもっと増やしたい」などと考えながら、勤務医として経験を積んでいる方もいらっしゃるでしょう。クリニックを開業すれば、そんな想いを実現できる可能性は高くなります。この記事では、勤務医から開業医へ切り替えるタイミングの見極め方について解説します。

医師が開業する平均年齢

全国に開業医は何人くらいいるのでしょうか。

令和6年3月に公表された厚生労働省の調査※1によると、令和4年12月31日時点の全国の届出「医師数」は、34万3,275人です。そのうち「(医育機関付属の病院を除く)病院の開設者又は法人の代表者」は5,251人、「診療所の開設者又は法人の代表者」は7万360人です。

※1 厚生労働省 令和4(2022)年 医師・歯科医師・薬剤師統計の概況
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/ishi/22/dl/R04_1gaikyo.pdf

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開業医の医師数は7万5,611人となりますので、全体の約22%、医師の4~5人に1人程度の割合であることがわかります。案外多いと思われるかもしれません。

では、開業する平均年齢は何歳くらいでしょうか。

同調査によると、「(医育機関付属の病院を除く)病院」に従事する医師の平均年齢は47.6歳、「診療所」に従事する医師の平均年齢は60.4歳です。少し古い調査結果になりますが、2009年9月に公表された日本医師会の資料※2によると、新規開業の場合の開業した平均年齢は41.3歳となっています。

※2 社団法人 日本医師会 2009年9月30日開業動機と開業医(開設者)の実情に関するアンケート調査
https://www.med.or.jp/dl-med/teireikaiken/20090930_21.pdf


日本医師会の資料は、開業後の運営年数が短い開業医ほど、開業する年齢が高いという結果になっています。開業5年以内で回答した医師の開業年齢の平均は44.9歳、開業30年超で回答した医師の開業年齢の平均は37.5歳です。このことから、近年の傾向としては、病院等である定後の期間経験を積んで、その後に開業するケースが増えていると推察されると述べられています。

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[図表]新規開業の場合の開業後年数別開業年齢
出所:2009年9月30日 社団法人 日本医師会 開業動機と開業医(開設者)の実情に関するアンケート調査

開業したいと考えている医師にとって、じっくり準備をしたいという場合もあるでしょう。開業のタイミングを逃さないために、開業するタイミングを決めるポイントとなる要素を見ていきましょう。

開業するタイミングを決めるポイント

医師になろうとする方は、大学で6年間医学を学び、医師免許を取得するために、国家試験を受けて合格する必要があります。国家試験に合格すると、2年間の臨床研修を受けることが義務づけられています。従って、開業できる最も早い年齢は26歳ですが、多くの場合、さらに10年ほど病院で経験を重ね、医師として成長していくことが必要だといえます。

開業医には定年はありません。ご自身の医師としてのスキルや判断力、体力、気力を維持できる限りは、診療や経営を続けることが可能です。上述の令和6年の厚生労働省の調査によると、病院に従事する医師の平均年齢は上昇傾向が続いています。しかし勤務医としての期間が長くなるにしたがって、開業医として診療を行う期間が短くなり、世代交代の準備がおろそかになるなどの影響が出る恐れがあります。

日本医師会の調査から得られた開業時の平均年齢はあくまで平均であり、何歳ごろ開業すべきである、というものではありません。調査の結果は参考にしながらも、ご自身の状況を振り返り、不安な事柄があればクリニック開業支援などのサポートを活用して準備を進めるのも選択肢のひとつです。

開業前に準備するべきこと

開業するには、どのようなことをいつごろから準備を始めればよいのでしょうか。一般的に、新規開業の場合は1年以上かけて準備を行います。多少余裕を見込んでおくとさらに安心です。大まかなスケジュールの目安は、次のようになります。


1年半前から
経営理念や診療方針の決定、開業までのスケジュールの策定・調整、事業計画の策定

1年前
開業地の選定、診察圏の調査、資金調達方法の検討

10ヵ月前まで
設計

3ヵ月前まで
内装工事

2ヵ月前まで
医療機器の選定・導入、備品の選定・導入

1ヵ月前まで
職員の採用・研修

開業まで
税理士・公認会計士・社会保険労務士等の選定、医療管理の諸規定対策など、ホームページの作成、開設手続き

開業医になるベストなタイミング

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開業には多額の資金が必要になります。30代後半から40代前半になると自己資金を増やし、金融機関からの融資も受けやすくなります。開業するには、いままで以上に多くの労力を費やすことになるため、家族の協力を受けられることも重要です。また、開業医になるには、医師としての経験が蓄積されていることが重要なのはもちろんですが、経営や組織運営の知識やスキルも大切です。

開業5年以内で回答した医師の開業年齢の平均は44.9歳、開業30年超で回答した医師の開業年齢の平均は37.5歳となり、開業年齢は上昇傾向です。この平均年齢を目安にしながらも、おひとりおひとりの状況や開業後の医院の運営についてお考えになり、柔軟に検討なさってください。ご紹介しましたポイントを押さえることで、理想の医療を追求できるクリニックを成功へと牽引される参考になれば幸いです。

FP dream
代表FP 藤原 洋子

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