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クリニック開業お役立ちコラム
科目別・必須機器の選び方〈内科編〉...レントゲン・CR/PACS装置のチェックポイント
クリニックの開業を目指す内科医の先生方にとって、レントゲン撮影装置(X線装置)とその画像処理・管理システム(CR装置またはDR装置、およびPACS)は、診療の質と効率を左右する極めて重要な「初期投資」です。ここでは、失敗しない機器選びのチェックポイントを解説します。
レントゲン(X線)撮影装置の選び方:デジタル化を見据えて

内科診療では、胸部(肺炎、肺がん、心不全など)や腹部(腸閉塞、結石など)の撮影が中心となります。
CR(Computed Radiography)方式
フィルムの代わりにIP(イメージングプレート)を使用し、それを読み取り装置でスキャンしてデジタル画像化します。
- メリット:
- 導入コストがDRより安い。既存のX線装置を流用できる場合がある。
- デメリット:
- 撮影後にIPを読み取り装置まで運ぶ手間と時間(数秒~1分程度)がかかる。IPの劣化や誤操作のリスクがある。
DR(Digital Radiography)方式
撮影した画像を、検出器(FPD:フラットパネルディテクタ)が瞬時にデジタルデータとして直接取り込みます。
- メリット:
- 即座に画像が表示されるため、待ち時間が短縮し、検査効率が大幅に向上する。撮影回数が多いクリニックに向く。
- デメリット:
- CRに比べ導入コストが高い。
- チェックポイント:
- 現在の主流はDR方式です。効率性と患者満足度を優先するならDR、初期費用を極力抑えたい場合はCRと考えるとよいでしょう。将来的な増患を見越し、DRを選択するケースが増えています。
装置本体の選定
内科クリニックでは、立位・座位・臥位での撮影に対応できる汎用性の高い壁掛け式(立位台)と寝台(臥位台)を組み合わせたタイプが一般的です。スペースが限られる場合は、1台で複数の撮影に対応できる多目的X線撮影装置も検討の価値があります。
PACS(医用画像管理システム)のチェックポイント

撮影したデジタル画像を保存・管理し、診察室のモニターで閲覧するためのシステムがPACS(Picture Archiving and Communication System)です。
電子カルテとの連携
必須の機能です。PACSで表示した画像を、電子カルテの画面からワンクリックで呼び出せるなど、スムーズな連携が可能かを確認しましょう。
操作性
画像の拡大・縮小、濃度調整(ウィンドウ/レベル)、計測などの操作が直感的で、ストレスなく行えるか、デモで確認することが重要です。
長期保存とバックアップ
法律で定められた期間(通常3年間、ただし診療記録は5年間)の画像保存と、災害などに備えた外部へのバックアップ体制(クラウド保存など)が構築できるかの確認が必須です。
保守契約の詳細と維持費...ランニングコストの管理
初期費用だけでなく、開業後の維持費とトラブル対応体制が経営の安定に直結します。
保守契約
1. オンサイト保守
故障時に技術者がクリニックへ来て対応してくれる契約形態です。特にレントゲン装置は重量物で遠隔対応が難しいため、24時間365日対応のオンサイト保守が望ましいです。
2. 契約範囲
装置本体だけでなく、FPDやIP、PACSのサーバー、閲覧用ソフトウェア、さらには消耗品(例:CRのIP)の保証が含まれるかを確認します。特に高価なFPDの保証期間や交換費用は要チェックです。
3. 期間と費用
一般的に、保守費用は本体価格の5~10%程度/年が目安です。導入時に長期保守契約を結ぶことで割引を受けられる場合もあります。また、故障時の無料部品交換などのサポートは加入を推奨します。筆者の経験では、サポートに加入していたことにより、購入から3年目のX線照射装置の光源故障が発生した際、交換費用の100万円が無償でサポートされました。
法定費用と消耗品費
1. 法定費用
X線装置には、医療法に基づく年1回の定期点検(専門業者による)が義務付けられています。この費用もランニングコストに計上します。このほかにも、X線漏洩検査が年に2回必要となります。
2. 電気代
DR装置やサーバーの電気代も考慮しますが、従来のフィルム現像機と異なり廃液処理が不要なため、トータルではコスト削減につながります。
収益性を高める活用法...「肺がん検診」への組み込み
内科クリニックにおけるレントゲン装置は、日常診療の迅速化と診断精度向上に貢献するだけでなく、地域住民の健康管理に貢献し、安定的な収益源ともなり得ます。

自治体の肺がん検診への参加
多くの自治体では、地域連携の観点からクリニックでの胸部X線撮影による肺がん検診を推奨しています。
それにより、検診を通じて受診者との接点が生まれるため「潜在的な患者の集患」につながります。また、検診業務は、保険診療の波に左右されにくい「安定した収益」を生み出します。そして、早期発見・早期治療に貢献することで「クリニックの地域での信頼度向上」に寄与します。
自治体の検診事業への参加資格、読影(画像の診断)医の体制、検診システムへの対応などが可能か、導入ベンダーに相談しながら進めましょう。
まとめ
レントゲン・CR/PACS装置は、単なる「箱」ではなく、クリニックの診療の「軸」となるシステムです。初期費用だけでなく、ランニングコスト、保守体制、そして将来の収益化戦略(肺がん検診など)まで見据えた総合的な視点で、最適な機器選定を行うことが成功への鍵となります。
ご自身のクリニックの診療スタイルと予算に合った、賢明な選択を心がけてください。
株式会社TTコンサルティング
医師 武井 智昭
監修者
株式会社コスモス薬品
本社を福岡県福岡市に置く東証プライム市場上場。
「ドラッグストアコスモス」の屋号で、九州を中心にドラッグストアチェーンを展開。
2024年5月期決算売上高は9,649億8,900万円。
M&Aを一切行わず、33年連続増収。
日本版顧客満足度指数の「ドラッグストア」において14年連続第1位を獲得。
クリニックの開業サポートにも注力し、2024年8月現在、開業物件店舗数は約350店舗。 集患に有利なドラッグストア併設型物件を全国各地で多数取り扱っている。
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コスモス薬品は、地域医療の担い手である開業医を全力でサポートしてまいります。

