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コラム・インタビュー

「小児科」開業・集患のリアル...「クチコミ対策」がとくに重要となる納得の理由

集患・増患対策
株式会社TTコンサルティング 医師 武井 智昭

親は、自身の健康よりも子どもの健康に敏感です。そのため親は、自分と一緒に子どもの成長に伴走してくれ、困ったときには駆け込み寺となる「信頼できる小児科医」を必死で探します。そのため、来院時は医師やスタッフの対応、院内の雰囲気や感染対策、待ち時間、そして外部のクチコミなど、ありとあらゆる情報から、本当に信頼に足るクリニックか、シビアに判断するのです。逆にいうと、一度信頼を勝ち取れば長期的な来院に繋がります。ここでは、小児科クリニックの集患について解説します。

子どものため、継続的に通院するからこそ...妥協できない小児科選び

小児科のデビューのほとんどは生後2ヵ月から始まる多種のワクチン接種や乳児検診で、その後も発熱などの感染症や、近年増加傾向であるアレルギー疾患(喘息・アトピー性皮膚炎・食物アレルギー・花粉症など)と、収益のボリュームゾーンとされる小学校入学前の6歳までは、継続的に通院することになります。

このような特徴のある小児科について、集患の有効な対策をいくつか紹介します。

①ホームページやSNS

インターネットが普及した昨今、ホームページやSNSなどでクリニックの情報を発信することが、周知の第一歩です。疾患に関して紹介・解説をするような動画コンテンツなどを作成するにより差別化を図ることも有効です。

②地域イベント

地域イベントに参加することで地域住民との接点を増やし、クリニックの認知度の上昇につながります。とくに子育て世代は家族連れで地域イベントに参加することも多いため、狙った層に情報が届きやすい、という傾向にあります。また、子育てや疾病に関しての行政主体の講演会に出演することも効果的で、筆者の場合は、年に数回「こどもとスマホ」「こどもとアレルギー」といったテーマで30分子育て講演を継続実施しています。

小児科ではなぜ、クチコミ対策が重要なのか?

このような集患対策がある一方で、小児科クリニックはとくにクチコミの対策が重要となります。よいクチコミがあれば大幅な集患が見込める一方で、ネガティブなクチコミによって一気に患者数が激減する、というリスクもあります。

なぜ小児科クリニックの集患は、クチコミに左右されるのでしょうか? 理由として以下のような点が挙げられます。

①親の安心感の材料となる

クチコミはあくまで個人の感想ではありますが、実際に受診した親の生の声であり、クリニックの雰囲気や医師の対応、治療方針、スタッフの対応など、クリニックのホームページだけではわからない情報を知ることができます。

とくに初めての小児科を受診する親にとっては、リアルなクチコミは、信頼に足るクリニックなのか等、クリニック選びの大きな判断材料となるのです。

②情報収集手段の変化

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インターネットやSNSの普及により、親の情報収集手段も大きく変化しました。

一般的にネット上でクチコミを確認する方法としては、Googleマップでのレビューなどが挙げられますが、親の場合は子育てに関する情報を共有するコミュニティも多数存在し、一般的なレビューよりも親目線で密な情報交換がなされていることも少なくありません。

クチコミが伝わる速度も、以前であれば口頭で話す人数に限られていたのが、ネット上で瞬く間に拡散されるようになりました。

よい評判はもちろん、悪い評判も広がりやすくなったことで、クチコミがクリニックの集患に大きな影響を与える可能性があるのです。

具体的なクチコミ対策

では、具体的にどのようなクチコミ対策を行えばいいのでしょうか? ポイントを3点に分けて解説します。

①患者満足度向上

小児科においては、患者様本人も当然ですが、親とのコミュニケーションが満足度の評価の大半を占めています。よいクチコミを増やすには、親の満足度を高めることが最も重要です。

前提として、不安や解決したいことがあったとしても、子どもを連れてクリニックを受診するのは想像以上に大変です。この苦労を乗り越えて持ちかけられた悩みや心配事を「否定しない」こと、そのうえで「考え・方法を尊重する、受け入れる」というような、余裕を持った対応が必要となります。

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コミュニケーションをとる際は、「聞く」を8割、「話す」を2割という配分を心がけ、説明する際も、お子さんの症状や医学的な検査結果の事実により判断したうえで、いかに患者様やご家族の心に寄り添って話ができるか、という点が満足感向上のカギとなります。

逆に、あまりに寄り添った結果診察時間が延びてしまうと、ほかの患者様の待ち時間が長くなってしまいます。長い待ち時間は、クリニックの評価の低下に密接な関係があるため、診療時間は患者様1人あたり5分前後、1時間で8人~10人程度の患者様を診られる程度がベストでしょう。

コミュニケーション以外の面では、クリニック内の雰囲気や清潔感なども重要ですが、新型コロナウイルスの蔓延以降は、院内感染を気にされる方も増えてきました。時間的・空間的に発熱外来とそれ以外の患者様の動線を分けるなど、感染対策の徹底はアピールポイントのひとつとなります。

また、子どもが感染症にかかると、親も同時に体調を崩すことも多いため、家族全体のフォローが可能であれば、患者様がクリニックを選ぶ際に有利に働くでしょう。

②クチコミサイト

クチコミサイトにも積極的に情報を掲載し、いただいたクチコミやレビューに返信していくことも重要です。

情報発信の際には、子育て世代を意識した内容にすることが重要です。たとえば、子どもの病気や予防接種に関する情報、子育てのよくある悩み相談など、親が子育てをするにあたって有用な情報を提供することで、クリニックへの信頼感を高めることができます。更新頻度が高ければ、そのぶんサイト内での表示順位が上がることも期待でき、表示順位が上がれば、そのぶん多くの方にクリニックの情報が届くことになります。

クチコミやレビューへの返信も1件1件きちんと行うことで、患者様1人1人と真摯に向き合っていることをアピールできます。

悪いクチコミへの対応

もし、悪いクチコミが投稿された場合も誠実に対応することが重要です。

対応の順番としては、

事実確認:
まずは、クチコミの内容が事実かどうかを確認する。
謝罪:
不快な思いをさせたことを謝罪する。
改善策の提示:
改善策を提示し、再発防止に努める。

誠実な対応を見せることで、信頼を取り戻すことができる可能性もあります。否定や反論をするのではなく、まずは受け止めて、迅速な対応をするようにしましょう。

まとめ

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小児科クリニックの集患において、クチコミ対策は他診療科と比べて非常に重要です。

患者満足度を高め、情報を積極的に発信し、ネット上の悪いクチコミには真摯に対応することで、地域に根ざしたクリニックとして成長することができます。

なにより質の高いコミュニケーションこそが不安な悩みを解決することが、よいクチコミ・集患につながります。

株式会社TTコンサルティング
医師 武井 智昭

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