ホーム > コラム・インタビュー > クリニックの命運を握る「内覧会」...
院長&スタッフの「失敗しない立ち回り」の具体的ノウハウ

コラム・インタビュー

クリニックの命運を握る「内覧会」...
院長&スタッフの「失敗しない立ち回り」の具体的ノウハウ

集患・増患対策
株式会社TTコンサルティング 医師 武井 智昭

クリニックの開院にあたっては、内覧会を実施・成功させることが非常に大きな意味を持ちます。ここでは、内覧会に向けた取り組み、当日の院長・スタッフの立ち回りの方法など、実際のエピソードを含め、内覧会のノウハウを解説していきます。

内覧会は「クリニックの存在の周知・PR」の絶好の機会

column250818_04_01.jpg

診療科目によって違いはありますが、一般的に、クリニックを開業する際には、近隣住民へのクリニックの存在を認知・アピールする目的で内覧会を行います。患者様の少ない開業初期のスタートダッシュを良好なものとするためにも、内覧会を実施することは非常に重要です。

また同時に、内覧会の準備や開催を通して、院長・スタッフ間のコミュニケーションや連携の強化も狙うことができます。

さらに、内覧会では近隣住民の方とコミュニケーションをとることができるため、診療圏の患者ニーズをある程度把握することもできます。

どれほど忙しくても「院長の参加」は必須

大前提として、開業準備が忙しくても、院長自身が内覧会に参加することが重要です。クリニックの診療・運営の主体はやはり院長であり、内覧会の来場者は院長がいないと不安を抱き、内覧会開催の意義がなくなってしまいます。

内覧会を開く時期としては、開業1週間前の土・日・祝日の日中(5~6時間程度)の開催をお勧めしています。

column250818_04_02.jpg

内覧会の成功のカギとしては、開催の1週間前までには、院長・スタッフ間でクリニックのアピールポイントを最低でも3点、共有することが重要です。例としては、「院長やスタッフの雰囲気がよい」「他院にはない医療機器を導入している」「土日や夜間も診療している」「地域の医療機関との連携がいい」「感染対策を徹底している」などが挙げられます。よいアピールポイントが思いつかなければ、院長が得意とする分野のアピールをしてもよいでしょう。

内覧会におけるコミュニケーションは、開業後の接遇の練習・シミュレーションになります。クリニックでの接遇は、受診満足度にも関わります。

多くの人の来院が見込まれ、院長・スタッフのみでは当日の人員が足りないことが予想される場合は、友人や付き合いのある業者などに応援を要請してもよいでしょう。

内覧会の人員確保にはスタッフとの信頼関係が重要であり、開院後に備えて働き方や待遇など、不安を解消していくことも院長の事前の立ち回りとして重要です。

絶対に押さえておきたい、内覧会の手順

では、具体的な流れについて見ていきましょう。

①まずは大掃除、予約用のPCを準備、みんなで当日の行動をおさらい

内覧会当日は、開始1時間前には集まってクリニックの大掃除をします。催しの準備と同時に、来場者がクリニックを気に入って診療予約を取る場合に備え、予約システムやPCを1台は稼働させておくとよいでしょう。

直前には、当日の流れや「予約〇〇名、目標△△名」といった来場人数の目標、またクリニックの強みを再確認するほか、スタッフを来場者に見立てて案内のおさらいをしておきます。

内覧会の開始後のスタッフの動きとしては、入口で呼び込みをする人、来場者受付をする人、クリニックの案内をする人、などに分かれると思いますが、混雑状況によってフレキシブルに対応できるよう、本来の持ち場以外の動きもすべて把握しておくことが重要です。

②来場者対応は迅速かつ丁寧に...問い合わせには院長自ら即レスを

とくに重要な役割を担うことになるのが、クリニックを案内するスタッフです。

来場者一人ひとりに丁寧に接し、他医療機関に対してのネガティブな発言、来場者に不安を与える言動は絶対にしないよう徹底したうえで案内をする必要があります。

来場者が少ない時間帯では、スタッフも暇になってしまうこともあるかもしれませんが、そのあいだも私語は控えるよう、指導が必要です。また、状況を見ながら、スタッフの休憩時間を確保する必要もあります。

休憩のあるスタッフとは対比的に、院長は内覧会のあいだは常にクリニック内に滞在し、可能な限り来場者全員に名刺を渡す、声かけをする、などの対応が求められます。

来場者全員に「困ったことがあれば何でもご相談ください」という姿勢を保ち続けてください。

また、内覧会に来場される方のなかには贈答品を持ってきてくださる方もいるため、そういった方がいらした場合は、どのような状況でも院長が御礼をするようにしましょう。

同時に、クリニックの診療予約だけでなく、提供予定のサービスやクリニックの運営にかかわる重要な依頼や提案が生じることもありますが、院長は必ずスタッフを通じて内容を掌握のうえ記録をとり、早期にフィードバックをしてください。

「即レス」は誠意を伝えるビジネス上の重要な対応です。来場者からの質問はスタッフ・院長が連携して回答していくというルールを定めておきましょう。迅速かつ丁寧に対応することで、来場者によりよい印象を与え、信頼感を得やすくなります。

③ペンやクリアファイルなどのノベルティグッズの有効活用を

内覧会の最後に、ノベルティ(記念品)を贈呈することも効果的です。ノベルティは高価なものでなくてもよいので、クリニック名と電話番号を記載したボールペンやクリアファイルなど、長く使ってもらえるものが認知度拡大には重要となります。

また、お見送りの際には、来場感謝の言葉を少しオーバーに伝えることで、記念品の存在と合わさってクリニックの存在を思い出すきっかけになります。

ほかにも、ありきたりな院長・スタッフの健康相談のほかに、院長の趣味など意外な一面を打ち出し、親しみを覚えてもらうことも効果的です。

医療機関の一般的な案内の他に、院長の特技や意外な一面を見せ、人柄を知ってもらう、というような演出も効果的です。これまでの内覧会では、院長が楽器を演奏する(バイオリン・チェロ・電子ピアノなど)、あるいは弦楽4重奏団を招聘してそこに院長が混じるなど、アートのセンスを全面に出すことで、親しみやすさをアピールする、といったことも効果的でした。

なかには、プロレス観戦を趣味にしている院長が、プロレス選手との座談会や、プロレス技を院長がかけられる、といったインパクトの強いプロモーションを組んだ例もありました。

「温かさ」「親しみやすさ」の醸成がカギに

column250818_04_03.jpg

内覧会の最終的な目的は「クリニックの認知度アップ」と「来場者によい印象を与えて来院を促す」の2点です。

認知度を上げるためには、パンフレットやノベルティ(記念品)、イベントも重要ですが、何より医師・スタッフによるコミュニケーション・来院したい温かさのある雰囲気の醸成が重要です。そのような雰囲気を作るためにも、開院前からスタッフの接遇やクリニックの治療方針に関して綿密なコミュニケーションを重ねていくことが重要です。

内覧会当日は、院長はどこにでも行き、誰とでも話す機敏性と体力。スタッフは来場者の入り口・受付からの案内、院長への誘導まで、すべて歓迎ムードでおもてなしすること、何かが起きたときの迅速な対応を可能にするチームプレイが重要となります。

株式会社TTコンサルティング
医師 武井 智昭

おススメの記事

監修者 株式会社コスモス薬品

本社は福岡県福岡市博多区。東証プライム市場上場。
「ドラッグストアコスモス」の屋号で、九州を中心にドラッグストアチェーンを展開。

2024年5月期決算売上高は9,649億8,900万円。
M&Aを一切行わず、33期連続増収。
日本版顧客満足度指数の「ドラッグストア」において14年連続第1位を獲得。

クリニックの開業支援にも注力し、2024年現在、開業物件数は約350店舗。
集患に有利なドラッグストア併設型クリニックを全国各地で提案している。

弊社が開業支援をさせていただきます

コスモス薬品が運営するドラッグストアは、日常生活に必要なものが何でも揃う生活の拠点となるお店。
その地域で便利に安心して暮すために欠かせない、電気や水道のような社会インフラであるお店。
そこに専門性が高いクリニックが加われば、さらに「豊かな生活」を提供することができます。
コスモス薬品は、地域医療の担い手である開業医を全力でサポートしてまいります。

コスモス薬品がトータルで医院開業をサポート

クリニックの開業支援はコスモス薬品にお任せください。
集患有利なドラッグストア併設のクリニック開業物件を多数取り扱っております。
開業、移転、物件に関することなどお気軽にご相談ください。

開業セミナー

開業するうえでおさえておくべきポイントを開業支援の実例を交えてご紹介するセミナーです。

お問い合わせ

全国で開業に関するご相談を無料で承ります。お悩み・ご質問など、お気軽にご相談ください。

物件検索
無料相談
開業セミナー
お問い合わせ