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クリニック開業お役立ちコラム

経営安定のはずが「逆効果」!? 開業初期の医師が陥りがちな「アルバイト」の落とし穴【医師が解説】

危機管理・その他
株式会社TTコンサルティング 医師 武井 智昭
経営安定のはずが「逆効果」!? 開業初期の医師が陥りがちな「アルバイト」の落とし穴【医師が解説】

開業したばかりの医師のなかには、資金繰りのために他院でアルバイト(外勤)をする人もいます。経営の安定が目的のアルバイトですが、実際には、本業の自院の診療がおろそかになるなど、本末転倒となってしまうケースもあるのです。ここでは、開業医が他院でアルバイトを行うメリット・デメリットを整理しながら、アルバイトを検討する際の注意点を見ていきます。

メリット1:安定した金銭収入の確保

開業初期は、患者数が不安定になりがちで、新規開業の場合にはこれと同時に借入金の返済負担も重くのしかかります。特に、コロナ禍のような予測困難な事態に直面した場合、経営が不安定になる開業医が少なくありません。

このような状況において、他院でのアルバイトは、自院の経営状況に左右されない安定した副収入となり、精神的な余裕が生まれます。

メリット2:他院の経営・診療ノウハウの獲得

他院で働くことは、自院とは異なる診療スタイルや経営手法を学ぶ絶好の機会です。筆者も実際、コロナ禍において他院の発熱外来を経験し、感染症の診療ノウハウを学ぶことができました。この経験が自院の診療の幅を広げることにも繋がったと考えています。

メリット3:他科の診療経験

他院で専門外の科目を診ることで、自院で医師としての総合的なスキルを高めることができます。

メリット4:専門医としてのキャリア形成と新たな人脈

また、アルバイトを通じて、他院の医師やスタッフと交流を深めることは、新たな人脈形成にも繋がります。

開業したクリニックと連携した基幹病院で勤務した場合には、患者様を紹介する・されるというパイプラインを構築することができ、自院の経営安定をもたらすきっかけとなるでしょう。CTやMRIの共同利用や診療連携に加えて、患者様を自院やアルバイト先の基幹病院で継続して診療を行うことができる点もメリットとして挙げられます。

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デメリット1:本業がおろそかになるリスク

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このように、多くのメリットがある一方で、他院でのアルバイトには無視できないデメリットも存在します。自院の経営と個人の生活のバランスを崩さないよう、注意が必要です。

最も大きな懸念は、アルバイトに時間を取られ、自院の診療がおろそかになることです。診療時間の短縮や休診日が増えることで、患者様が離れてしまう可能性があります。また、スタッフの管理や経営戦略の立案など、院長としての重要な業務に十分な時間を割けなくなることも考えられます。

デメリット2:時間管理と体力的な負担

アルバイトと自院の診療を両立させるためには、厳格な時間管理が求められます。しかし、診療時間の延長や緊急の患者対応など、予期せぬ事態が重なると、スケジュールが破綻するリスクがあります。

さらに、アルバイトを過度に入れるなどして経営者として必要な休む時間が減ることで肉体的・精神的な疲労が蓄積し、バーンアウト(燃え尽き症候群)に繋がる危険性も無視できません。結果的に自院での診療機能の低下につながり、患者様の信頼を得られず患者数が減少し、経営が悪化するリスクもあります。

デメリット3:院長としての信頼性の低下

頻繁にアルバイトに行くことで、「この先生は忙しそう」「本業に集中していないのでは?」と患者様やスタッフに不信感を与えかねません。特に、地域の患者様はかかりつけ医として安定した診療を期待しています。

アルバイトを行う際は、患者様やスタッフに理解を得られるよう、その目的など合理的な理由を明確に伝えるなどの配慮が必要です。

チェックポイント1:開業初期は自院の基盤固めを優先

開業後1~2年間は、自院の診療体制や経営方針を確立する最も重要な時期です。この期間にアルバイトを始めると、自院の成長を妨げる可能性があります。まずは、自院の患者数を安定させ、経営基盤を固めることに専念することを優先してください。

チェックポイント2:体力と精神的な余裕を考慮

先述したように、アルバイトは体力的に大きな負担となります。特に年齢を重ねるにつれて、その負担は無視できなくなります。自院の診療に加え、アルバイトを行う体力があるか、無理なく両立できるかを見極めることが重要です。

チェックポイント3:税務上の注意点

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アルバイトによる収入は、個人の事業所得とは別に、給与所得として扱われることが一般的であり、確定申告が必要になります。

また、医療法人を設立している場合は、個人の所得と法人の所得を区別して管理する必要があり、税理士と相談して適切に処理することが不可欠です。

開業医のアルバイトは、「賢くバランスを取る」ことが成功のカギ

開業医が他院でアルバイトを行うことは、金銭的な安定・医師としての診療拡大や人脈・医療機関の連携などには有効な手段です。しかし、その実施は慎重に計画する必要があります。

自院の経営状況、自身の体力、そして将来のキャリアプランを総合的に考慮し、最も効果的なタイミングと方法を選択することが、成功へのカギとなります。

株式会社TTコンサルティング
医師 武井 智昭

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監修者

株式会社コスモス薬品

本社を福岡県福岡市に置く東証プライム市場上場。
「ドラッグストアコスモス」の屋号で、九州を中心にドラッグストアチェーンを展開。

2024年5月期決算売上高は9,649億8,900万円。
M&Aを一切行わず、33年連続増収。
日本版顧客満足度指数の「ドラッグストア」において14年連続第1位を獲得。

クリニックの開業サポートにも注力し、2024年8月現在、開業物件店舗数は約350店舗。 集患に有利なドラッグストア併設型物件を全国各地で多数取り扱っている。

弊社が開業支援をさせていただきました

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そこに専門性が高いクリニックが加われば、さらに「豊かな生活」を提供することができます。
コスモス薬品は、地域医療の担い手である開業医を全力でサポートしてまいります。
コスモス薬品がトータルで医院開業をサポート

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集患有利なドラッグストア併設の医療物件を多数取り扱っております。
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