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コラム・インタビュー

ドクターの採用をどうすれば...「ちっともマッチングしない」を回避する、医師紹介会社との上手な付き合い方【現役医師がアドバイス】

採用・教育・労務
株式会社TTコンサルティング 医師 武井 智昭

クリニックの事業展開などを考えるときに、キーとなるのが「医師の採用・確保」です。そんなニーズから、近年では、医師と医療機関をつなぐ「医師紹介会社」の数は300を超え、その規模もさまざまです、しかし、その実態は玉石混交であり、大手だから安心というわけではありません。ここでは、医師紹介会社とのつきあい方の注意点や、具体的な取引の方法を紹介します。

あるべき「医師人材紹介会社」の姿とは?

医師紹介会社の本来の目的には、

  • 医師の勤務ニーズと医療機関の採用ニーズのマッチング
  • 条件のすり合わせによる新規医師確保
  • 地域住民等の医療ニーズの対応拡大による医療機関の経営改善

等があげられます。

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ひと言でいうなら、医師人材紹介会社の業務は、医療機関・医師の架け橋となり、膨大な事務作業を代行すること。双方のメリットを提供し、紹介会社も報酬をいただく「三方良し」の構造が、あるべき姿なのです。

しかし、まっとうな営業をしている企業の裏側で、20%を超える高額な紹介手数料を請求する、社会的通念として認められない「お祝い金」を支給する、「Amazonギフトカード」等で医師を集める...など、不当な転職勧奨を促す企業の存在もあります。

それ以外にも、双方の希望を丁寧に聞かず、ベルトコンベアのごとく強引なマッチングを進め、成約・報酬を成立させる業者までいます。

なにより、医療機関としては「経営」、就職希望の医師としては「人生設計」といった、きわめて重要かつデリケートなことがらを任されているのがコンサルタントであり、これらの責任を負うには、人格・経験・社会性・コミュニケーション能力が必要です。にもかかわらず、この能力が著しく低いコンサルタントが増えているのも事実です。

とくに小規模なクリニックの場合は、医師の知識・技術はもちろん、周囲と折り合い円滑なコミュニケーションが図れるか、経営や管理業務を任せられるか等についても、客観的な視点で見ることが必要です。

医師紹介会社ごとに異なる「特徴」「得意分野」

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医師紹介会社について「大手だから力があるだろう」「実績があるから大丈夫だろう」「知り合いのコンサルタントがいるから安心だろう」...といった、あいまいな理由で選択するケースもあります。しかし、紹介会社によって、実績や得意となる勤務形態・診療科・エリアは異なっており、また、大手と中小でも得意分野はまったく異なります。

例えば下記の例のように、紹介会社ごとの得意分野も特徴もさまざまなのです。

大手企業

A社:業界最大手で、30万人以上の医師が登録。さまざまな医療分野でのweb講演会やスキームをもっている。
B社:業界大手。他職種の転職・人材紹介には定評あり。
C社:業界最古参。近年では専門性の高い人材紹介も受けている。

中小企業

X社:案件や登録者は少ないものの、転職・開業など医師のキャリアを重視した丁寧な紹介に定評あり。
Y社:対応できるエリアは限られているが、医局人事等、医師の動きの察知が早く紹介対応が迅速い可能。
Z社:女性医師を比較的多く集めており、メディアプロデュースも実施。

医師は大手企業に複数登録しているケースが多くあります。また、中小企業も含め、大手の紹介データベースには案件が重複して掲載されます。大手企業の場合は1~2社、中小企業なら2~3社の登録をお勧めします。

成約後の手数料に注目...「支払い」は適正な割合か?

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また、選定の前提条件として、成約後の手数料の支払いの割合が適正か、支払い方法はどうなっているか、早期退職時の返金規定はどうか、等についても確認が重要です。

一般的に医師の場合、手数料は概算年収の20%がメインですが、ときに25%・30%、あるいはそれ以上の高額な請求を行う企業の存在もあります。25%を超える場合、基本的には特別な事情がない限り、取引は避けたほうが無難です。経営状況が危ない、前述した違法なお祝い金の支給やAmazonギフトカードなどで医師データベースを確保している...などの理由があるからです。

適正な有料職業紹介事業者の選定ポイントとしては「手数料を公表している」「転職活動を過剰に宣伝する不適切な広報活動を行っていない」「お祝い金の支給をしていない」といった点の確認が必要です。

紹介の実績の把握も重要に

これ以外の選定ポイントとしては、紹介の実績を把握することがあります。常勤だけでなく、非常勤・スポット勤務の紹介実績も確認しましょう。医師の採用の窓口が多数あること(求人サイトや掲示板など)、企業としての医師採用のビジョンが明確になっていること(例としてFacebookやnoteなどの更新があること)、などです。医師の満足度が〇〇%という主観が入る数値に関しては、指標にはなりません。

急募などを理由に、一気に複数の紹介会社とコンタクトをとる場合には、直接会ってのコミュニケーション(採用説明会開催など)をとることも貴重かつ重要です。文字や求人票のみでは、コンサルタントに採用したい人材を伝えることは困難であり、コンサルタントの質・信頼性を推し量ることも困難です。説明会のセッティングでは、あちこちの会社を回るよりも、一度に話をすることができ、効率的にマッチングしうる医師との接点を持つことが可能です。コンサルタントの立場からも、採用担当者や経営者からの生の声を聴くことにより、検索上位への誘導などの対応をしてくれる場合もあります。

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医師 武井 智昭

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