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クリニック開業お役立ちコラム
開業医になるには?開業までの流れ・必要な準備・失敗しないための注意点を解説
将来的に独立・開業を考え始めたものの、「開業医になるには何から準備すればよいのか」「勤務医を続けながら準備できるのか」と不安を感じる医師もいるのではないでしょうか。
クリニック開業には、医師免許や診療経験だけでなく、資金計画、物件選定、医療機器・システムの準備、スタッフ採用、広告宣伝、行政手続きなど幅広い準備が必要となります。
本記事では、開業医になるために必要な準備や開業までの流れ、失敗しないための注意点を解説します。
開業医になるには何が必要か
開業医になるには、医師免許を持っていることが前提です。ただし、医師免許があればすぐに開業準備が完了するわけではありません。
クリニックを開業するには、診療所開設に関する届出や保険医療機関の指定申請に加え、資金計画、物件選定、内装工事、医療機器やシステムの準備、スタッフ採用、広告宣伝など、幅広い準備が必要となります。
医師免許があれば開業は可能
医師免許があれば、医師として診療所を開設することは可能です。ただし、実際にクリニックを開業するには、診療所開設に関する届出など、所定の手続きを行う必要があります。
例えば、診療所を開設する際には、診療所開設届の提出が必要です。あわせて、医師免許証の写しや臨床研修修了登録証の写し、履歴書、診療所の所在地周辺の見取図、建物の平面図などの書類を求められる場合があります。必要書類や提出先は自治体によって異なるため、開業予定地を管轄する保健所などに事前に確認することが大切です。
また、保険診療を行う場合は、地方厚生局に対して保険医療機関の指定申請を行う必要があります。厚生労働省の『第25回医療経済実態調査』が示す通り、一般診療所の医業収益は公的保険診療(社会保険診療収入など)が大半を占める経営基盤となっており、地域連携や患者の利便性の観点からも専ら自費診療のみの開業は推奨されません。
診療経験だけでなく経営視点が必要になる
開業医は、診療だけに集中すればよい立場ではありません。開業後は、資金繰り、スタッフ採用、広告宣伝、設備投資、患者数の見込みなど、クリニック経営に関する判断も院長自身が担う場面が増えます。
勤務医時代は、経理、人事、広報、設備管理などを病院や法人の担当部署が担っているケースが多くあります。一方、開業後はどの物件で開業するか、どの程度の設備投資を行うか、何人のスタッフを採用するか、どのように地域住民に認知してもらうかといった判断が、経営結果に直結します。
そのため、開業医になるには、医師としての診療経験に加えて、経営視点を持って準備を進めることが重要です。開業前から売上や固定費、借入返済、患者数の見込みを具体的に確認し、無理のない運営体制を検討する必要があります。
開業には資金・物件・人材・行政手続きの準備が必要
クリニック開業では、複数の準備を並行して進める必要があります。主な準備として、資金調達、物件選定、内装工事、医療機器や電子カルテ・レセコンなどのシステム準備、スタッフ採用、広告宣伝、行政手続きがあげられます。
資金面では、内装工事費や医療機器費だけでなく、開業後の人件費、家賃、広告宣伝費、診療報酬の入金までの運転資金も見込む必要があります。物件選定では、賃料や広さだけでなく、診療圏の需要、競合状況、生活動線、視認性、駐車場の有無なども確認することが大切です。
行政手続きでは、保健所や地方厚生局など複数の窓口が関係します。手続き漏れやスケジュール遅れがあると、予定どおりに開業できない可能性もあるため、開業予定日から逆算して準備を進めましょう。
開業医は医師であると同時に経営者でもある
開業医は、患者さまに質の高い医療を提供する医師であると同時に、クリニック全体を管理する経営者でもあります。診療の質を高めるだけでなく、安定した収益を確保し、スタッフが働きやすい体制を整え、地域に継続して医療を提供できる環境を作ることが求められます。
開業後は、患者数や売上、固定費、人件費、広告宣伝の効果、借入返済の状況などを継続的に確認する必要があります。想定より患者数が伸びない場合や、支出が大きくなっている場合には、早めに原因を把握し、集患施策や費用管理を見直すことも大切です。
開業医になるまでの主な流れ

開業医になるまでには、診療方針の決定から、診療圏調査、物件選定、事業計画・資金計画、内装工事、医療機器・システムの準備、スタッフ採用、広告宣伝、行政手続きまで、複数の準備を段階的に進める必要があります。
これらの準備は、一つずつ完了してから次に進むのではなく、開業予定日から逆算しながら並行して進めるのが一般的です。主な流れは以下のとおりです。
1. 開業方針と診療コンセプトを決める
まずは、どのようなクリニックを開業したいのかを明確にします。診療科、対象患者層、診療方針、提供したい医療の特徴、診療時間、予約の有無などを整理し、開業後の方向性を決めます。診療コンセプトが曖昧なままだと、物件選定や設備投資、広告宣伝の方向性も定まりにくくなります。
2. 診療圏調査と競合分析を行う
候補地周辺の人口、年齢構成、受療率、生活動線、交通アクセスなどを確認し、どの程度の患者数を見込めるかを検討します。あわせて、近隣にある同じ診療科のクリニック数や診療内容、診療時間、駐車場の有無なども確認します。感覚ではなく、客観的なデータをもとに判断することが重要です。
3. 物件を選定する
診療圏調査の結果を踏まえて、開業する物件を選びます。賃料や広さだけでなく、視認性、アクセス、生活動線、駐車場・駐輪場の使いやすさ、内装工事のしやすさなども確認しましょう。候補物件ごとに、見込める患者数、賃料、内装工事費、必要設備、広告宣伝費などそれぞれの物件の特徴や条件を確認することが大切です。
4. 事業計画と資金計画を作成する
診療方針、目標患者数、診療単価、診療日数、収支計画、設備投資計画、スタッフ体制、広告宣伝計画などを整理します。資金計画では、初期費用だけでなく、開業後の運転資金、人件費、家賃、広告宣伝費、借入返済まで含めて考える必要があります。
5. 内装・医療機器・システムを準備する
物件が決まったら、診察室、処置室、待合室、受付、バックヤードなどの配置を決め、内装工事を進めます。あわせて、医療機器、電子カルテ、レセコン、予約システムなどを診療内容に合わせて準備します。患者さまの動線とスタッフ動線を踏まえて設計することが重要です。
6. スタッフ採用と広告宣伝を進める
受付、医療事務、看護師、リハビリスタッフなど、診療内容に応じて必要な職種と人数を決めます。求人募集、面接、内定、研修を進めながら、ホームページ、Googleビジネスプロフィール、チラシ、看板、内覧会なども準備します。開業前から地域住民に認知してもらうことが、開業初期の集患につながります。
7. 行政手続きを行い開業する
開業前後には、保健所への診療所開設に関する届出や、地方厚生局への保険医療機関指定申請などが必要です。提出先、期限、必要書類は自治体や管轄の地方厚生局によって異なる場合があります。手続き漏れがあると予定どおりに開業できない可能性があるため、早めに確認しましょう。
開業準備では、物件、資金、設備、人材、広告宣伝、行政手続きが互いに関係します。例えば、物件の決定が遅れると、内装工事や医療機器の納品、行政手続きにも影響します。開業予定日から逆算して全体スケジュールを作成し、必要に応じて専門家に相談しながら準備を進めることが大切です。
開業医として失敗しないための注意点
開業医として失敗しないためには、開業前の段階で患者数の見込み、初期投資、立地、広告宣伝、経営管理の考え方を具体化しておくことが重要です。診療技術があっても患者数が伸びない、固定費が重い、立地と診療コンセプトが合わないといった問題があると、開業後の経営は不安定になるリスクがあります。
特に注意したいポイントは、以下のとおりです。
・患者数を楽観的に見積もりすぎない
患者数の見込みが甘いと、売上が想定を下回り、家賃、人件費、借入返済の負担が重くなります。診療圏調査や競合分析を行い、人口構成、受療率、競合医療機関、アクセスなどを踏まえて、現実的な患者数を見込むことが大切です。
・初期投資を大きくしすぎない
内装や医療機器への投資が過大になると、開業後の返済負担が重くなります。開業時に必要な設備と、開業後に追加できる設備を分けて考え、診療方針に合った範囲で投資することが重要です。
・立地と診療コンセプトのずれを避ける
地域の患者ニーズと診療コンセプトが合っていないと、集患に苦戦しやすくなります。周辺住民の年齢層、世帯構成、生活動線、競合クリニックの診療内容を確認し、診療科やターゲット患者層に合う立地を選びましょう。
・広告宣伝や認知獲得を開業前から準備する
開業後に広告宣伝を始めると、患者数が立ち上がるまでに時間がかかる場合があります。ホームページ、Googleビジネスプロフィール、チラシ、看板、内覧会などを活用し、開業前から地域住民に認知してもらう準備が必要です。
・診療だけでなく経営管理も継続する
開業後は、患者数、売上、固定費、人件費、返済額、広告宣伝の効果などを継続的に確認することが大切です。想定と実績に差が出た場合は、早めに原因を確認し、集患施策や費用管理を見直しましょう。
開業後に赤字となる原因や対策については、関連記事「開業医が赤字になる原因とは?赤字リスクを抑える準備と経営安定のポイントを解説」でも詳しく解説しています。
開業医になるなら専門家と連携して準備を進めることが重要
開業準備では、診療方針の決定、診療圏調査、物件選定、資金計画、内装工事、医療機器・システムの準備、スタッフ採用、広告宣伝、行政手続きなど、多くのタスクを並行して進める必要があります。勤務医として診療を続けながら、これらをすべて個人で対応するのは大きな負担になります。
特に専門家と連携したい項目は、以下のとおりです。

| 項目 | 確認したいポイント |
|---|---|
| 物件選定 | 診療圏、競合状況、生活動線、視認性、賃料、内装条件など |
| 資金計画 | 初期費用、運転資金、借入返済、開業後の固定費など |
| 内装・設備 | 患者さまの動線、スタッフ動線、医療機器、電子カルテ・レセコンなど |
| 採用・広告宣伝 | スタッフ募集、開業前の認知獲得、ホームページ、チラシ、看板など |
| 行政手続き | 診療所開設届、保険医療機関指定申請、提出先、期限、必要書類など |
開業スケジュールに遅れが出ると、内装工事、医療機器の納品、スタッフ研修、広告宣伝、行政手続きにも影響する可能性があります。判断漏れや手続きの遅れを防ぐためにも、早い段階から専門家と連携し、開業予定日から逆算して準備を進めることが大切です。
開業物件を検討する際は、ドラッグストア併設・近接立地も選択肢の一つです。数ある開業物件のなかでも、特に地域密着型の開業においてもっとも推奨される選択肢の一つが『ドラッグストア併設型』の物件です。
主な特徴として、以下が挙げられます。
- 地域住民が日常的に利用する場所に近く、クリニックの存在を認知してもらいやすい
- 買い物や薬の受け取りなどの生活動線上で接点を作りやすい
- 診療後の処方薬の受け取りや服薬支援など、薬局としての医療連携を図りやすい
- 内科・小児科・整形外科など、地域密着型の診療科で開業物件として検討しやすい
コスモス薬品では、ドラッグストア併設・近接立地を中心とした物件のご提案と広告宣伝サポート、薬局としての連携を主軸にクリニック運営をサポートしています。その他の関連業務は、取引先の開業支援部門と連携の上、サポート体制を構築します。開業支援や各種専門領域については、取引先の開業支援部門とも連携し、先生方の状況に応じた支援体制を構築しています。
開業医になるには?よくある質問
開業医になるには何年目くらいが目安ですか?
開業医になる年数に明確な決まりはなく、法律上は医師免許取得後、臨床研修を修了すれば開業は可能です。
ただし、実際には専門性、臨床経験、資金準備、経営判断力も必要になります。一定の臨床経験を積んだ30代後半から40代で開業を検討するケースが多いです。
開業医になるにはいくら必要ですか?
開業資金は、診療科、物件、医療機器、内装工事の内容によって大きく変わります。テナント開業の場合、一般的には5,000万〜1億円以上が目安とされます。
初期費用だけでなく、開業後の人件費、家賃、広告宣伝費、診療報酬の入金までの運転資金も含めて計画することが重要です。
開業医になるにはどのような手続きが必要ですか?
開業時には、保健所への診療所開設届や、地方厚生局への保険医療機関指定申請などが必要です。診療内容や設備によって、必要書類や確認事項が変わる場合もあります。手続きには期限があるため、開業予定日から逆算して準備を進めましょう。
勤務医を続けながら開業準備はできますか?
勤務医を続けながら開業準備を進めることは可能です。ただし、診療コンセプトの検討、診療圏調査、物件選定、資金計画、スタッフ採用、広告宣伝、行政手続きなど、多くのタスクがあります。限られた時間で準備を進めるには、早めにスケジュールを立てることが大切です。
開業医になるには専門家に相談した方がよいですか?
開業準備には、物件選定、資金計画、行政手続き、医療機器、採用、広告宣伝など複数の専門領域が関わります。個人だけで進めると、判断漏れやスケジュール遅れが生じる可能性があります。
失敗を避けるためには、早い段階で専門家に相談し、開業までの流れを整理しながら準備を進めることが望ましいでしょう。
開業医になるには開業までの流れを把握し、計画的に準備を進めることが重要
開業医になるには、医師免許や診療経験に加えて、資金計画、物件選定、医療機器・システムの準備、スタッフ採用、広告宣伝、行政手続きなど幅広い準備が必要です。開業後に安定した経営を目指すには、診療圏調査や競合分析を行い、地域の患者ニーズに合った診療コンセプトと立地を検討することが重要です。
また、開業資金は初期費用だけでなく、開業後の運転資金や借入返済まで含めて考える必要があります。患者数の見込みが甘い場合や、初期投資が過大になった場合、開業後の資金繰りに影響する可能性があるため、開業前の段階で現実的な収支計画を立てておくことが大切です。
開業準備は、勤務医として診療を続けながら個人だけで進めるには負担が大きいものです。特に、物件選定、資金計画、行政手続き、集患設計などは専門的な判断も求められるため、早い段階から相談しながら準備を進めることが望ましいでしょう。
ドラッグストア併設・近接立地は、地域住民の日常的な生活動線上で認知されやすく、薬局としての医療連携も図りやすい点が特徴です。内科・小児科・整形外科など地域密着型の診療科では、開業物件の選択肢として検討しやすい立地といえます。
コスモス薬品では、ドラッグストア併設・近接立地を中心とした物件のご提案や、広告宣伝の支援、薬局としての医療連携を通じて、クリニック運営をサポートしています。開業支援や各種専門領域については、取引先の開業支援部門とも連携し、先生方の状況に応じた支援体制を構築しています。開業を検討されている先生は、ぜひご相談ください。
医療経営コンサルタント
土光 宜行
医療業界にて経営支援およびマーケティング業務に従事。
開業支援、医療制度、集患戦略などを専門領域とし、現場経験とデータに基づいた実践的な情報発信を行っている。
医療機関が将来を見据えた意思決定を行えるよう、制度動向や経営課題をわかりやすく解説。
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